外大なんか行ったら負けだぜお前たち

これから大学を選ぼうと思っている君へ。息子・娘が大学受験を控えている親御さんへ。外国語大学(以下 外大)なんて、ほんとに行く意味が無いぜ、やめとけよ!と、関西の凡庸な外大を卒業したおっさんが上から目線で申しておりますよ。下記、「外大がどれくらい無駄か」を無駄に鼻息荒く主張してみます。



<目次>
1.「外国語を喋れるようになりたい」だけなら、駅前留学でいいじゃん
2.  外大を卒業してペラペラ喋れる奴なんてごくわずか。
3.  そもそも、言葉を学習する前に、何か他に勉強すべきことがあるんじゃないのか
4.  まとめ


以下、本文です。

1.「外国語を喋れるようになりたい」だけなら、駅前留学でいいじゃん

本当に、純粋に語学習得という意味では、外大の外国語の授業そのものが民間の語学学校に比べて際立って優れている、ということは言えない(※1)一方、時間当たりのコストは語学学校のほうが絶対に安い。それでも外大に行くメリットって何だろう?と考えると、


a.その道の最先端を研究している教授陣に教えてもらえる
b.年間授業料は固定なので、授業は取り放題。語学だけじゃなく、他の授業もたくさんあるよ。
c. 上位成績者のみ受講できる集中特訓コースや、大学が費用を負担してくれる交換留学がある
d.大学卒業資格がもらえる!就職就職!
e.友達100人できるかも!彼女もできるかも!

ぐらいでしょうか。
それでは、ひとつひとつ反論します。

a.その道の最先端を研究している教授陣に教えてもらえる

確かに、外国語を言語学的に研究したいなんて人なら、語学学校では物足りないかもしれないけれど、ただ単に外国語を使えるようになりたいだけなら、教授の研究分野は学ぶ内容とあまり関係無いです。例えば一回生のときのスペイン語文法の先生は、バスク語研究の方でしたが、バスク語の話なんて授業で一切出てきませんでした。例えば別の先生が「カタルーニャ独立運動におけるアナルコ・サンディカリズムの研究」という分野で世界的な権威だったとしても、それを有難いと感じる学生なんてほんの一部の急進的左翼な人だけです。つまり、教授先生の研究分野での優秀さと、外国語を教える技術の高さは相関関係が無いということが言いたいのです。



実際、先生自身の語学能力が低い場合がある。ああ、このエピソード言っちゃうのか。まあいいか。ドイツ語の授業に、ドイツ人の友人を連れて行ったときのこと。授業後の友人の一言:「あの先生、発音めちゃくちゃ悪いよ。ほとんどジョークのレベルだよ」 ー ただ、ひとつ弁護をするなら、この大学はドイツ語学科が無かったので、先生はもしかしたらドイツ語メインじゃなく、ドイツ語を教えるのは副業的なものだったのかもしれません。まあ、それじゃあ尚更許すまじなんですけどね。

とにかく、(私の通った大学に限ったことなのかもしれませんが)先生がほとんど日本人だったのもマイナスポイントです。ネイティブの先生は専攻のスペイン語授業の一部だけで、その他言語(前述ドイツ語・イタリア語・中国語・フランス語)全て先生は日本人でした。ああ、もしかして、こういうところに、大学のレベルが反映されているのか?大阪外大や東京外大ならこんなことは無かったんだろうか?と今更後悔してみる。

b.年間授業料は固定なので、授業は取り放題。語学だけじゃなく、他の授業もたくさんあるよ。

そう。確かにいろんな授業がある。(別に外大に限ったことじゃなく、どこの大学でもそうだけど)。しかし、上記ドイツ語授業の例もあるように、授業のクオリティは低い場合もある。もちろん、10数年経った今でもふと思い出せるような名先生・名授業に巡り合う可能性もあります。私もどっちかっていうと、語学以外の授業に感銘を受けた方が多いです。O先生の「美学」やT先生のマクロ経済、S先生の比較文化論は今だに生きています。スティーブ・ジョブズもカリグラフィの授業が役立ったと言っていた(※2)ように、こういう脱線が意外と将来に生きてきたりするのが面白いところですが、これは別にどこの大学でも同じです(※3)。

でもひどい授業はひどいですよ、大部屋に学生がやいのやいの騒いでて、先生は教壇で何かぶつぶつ仰っていて、出席さえ確保すれば単位は取れるという・・・ああ、そういうのが良い授業なのか。そうか。

c. 上位成績者のみ受講できる集中特訓コースや、大学が費用を負担してくれる留学支援制度がある

私が通った大学には授業が全部外国語、毎週プレゼン発表、本を大量に読まされる・・のような(噂に聞く限りかなりハードな)集中特訓コースがあって、それを取ってた人は大体喋れるようになっていたと思います。あと、成績優秀者には留学の学費を出してくれる制度とか。そういうので学費を回収できれば、外大に入る甲斐もあるかと、思いかけましたが、そんなのどこの大学にもありそうですね・・

d.eは割愛。要は、集中特訓コースや留学支援制度を利用しない限り、外大には特にメリットは無いということが言いたいのです。

2.  ていうか、外大を卒業してペラペラ喋れる奴なんてごくわずか。

外大を志望する学生は皆、「英語喋れたらカッコ良いよねー」とか、「スペイン語喋れたらモテるかなー」とか、淡い妄想を抱いていると思います。わかります。私自身、スペイン語をやろうと思ったきっかけは、ラテン系の陽気な血がパンクロックに役立つと思ったからです。お父さんお母さん、アホな息子でごめんなさい。

しかし甘い。外大に入れば自動的に外国語がペラペラになる程、外大の教育システムが物凄くクールなわけではないことは前述の通り。勉強した奴が喋れるようになるんです。同窓生で、上記特訓コースや留学をしていない友人は、大体喋れてません。私だって無理やり留学してなければ喋れてませんよ・・・

逆に言うと、べつに外大に行かなくても、ちゃんと勉強なり(※4)、留学なりすれば、喋れるようになるのに、4年間もったいなくないか?と思うのです。

3.  そもそも、言葉を学習する前に、何か他に勉強すべきことがあるんじゃないのか

こういうことを、私はメキシコに留学している最中に思い知ったんです。現地の語学学校で、広末涼子似のアメリカ人の女の子とお話してた時のこと。大学での専攻の話になって、私が「スペイン語だよ」と言うと、「へえースペイン語の研究をしてるんだー」と。イヤ、研究って言い過ぎだなー、普通にスペイン語を学んでるだけだよと言うと驚いて(ザ・アメリカ的な大げさな身振りで)

「大学でスペイン語のレッスンを専攻してんの?それって語学学校じゃん、それで”大学”が成り立つの?」

これはぐっさりきました。言語はlearn(学習)するものであって、study(研究)するものではないということを言いたいんですね(※5)。その通りだと思います。大学は何をstudyするかで選ぶべき。

4.  まとめ

外大なんて行かなくても、駅前留学でいいじゃん。ていうか留学すればいいじゃん。大学は何か他のテーマで行けばいいじゃん。


って、すごい上から目線の話を私は一体誰に話してるんだ?と思ったら、これ自分の息子に言ってますね。15年後に読んで欲しい。人工バイリンガル教育もがんばりまーす。

<注記>


※1 枚方市の某外大(年間100万円)と、奈良市内の中国語講座(週一回の授業で、半年7万円)の主観的な比較による。大学は授業料が固定なので、時間と体の許す限りいろんな授業を受け放題だが、民間の語学学校はネイティブによる少人数制で集中して語学を学べる。

※2  もうひとつジョブズの名言を;『・・・ポラロイドの創業者エドウィン・ランドが、重要なのは芸術と科学の交差点に立てる人間だと言っていたことを読んだ。だから私もそうなろうと心に決めた。』(出典はトニー・ワグナー著『未来のイノベーターはどう育つのか』)

※3  ふらっと帝塚山学院大に入って、ふらっと授業を取ってみると、講師が松岡正剛だった!みたいな。ああうらやましい。

※4 楽天の社員は、ハードに仕事をこなしながらでもTOEIC800点取ってます。やればできる。

※5 言語学的にstudyの対象になることはもちろんあります。「メキシコスペイン語へのアメリカ英語の影響」とか。でもただ喋るぶんにはそういうのはどうでもいい。

 

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