[レビュー]『つぎはぎだらけの脳と心』

引き続き、脳についての本を一冊。こちらは先日読んだ『脳はなぜ「心」を作ったのか?』よりももっと医学的な描写が多いです。とにかく、タイトルにもあるように、脳という器官は決して完璧に統合され、完璧に機能するシステムではなく、むしろ継ぎ足しに継ぎ足しを重ねて増築された建物のように、ちぐはぐや重複や謎の通路がたくさんあるということ、しかしそれにも関わらず驚異の情報処理能力があるのはどういうことなのか、を、現在わかっていること、わかりつつあること、まだ不明だけど仮説があることを丁寧に、おちゃめな表現を交えながら開陳してくれます。以下、私にとって刺激的だった件をメモ。


★★★

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脳細胞、ニューロンの図。
樹状突起で、シナプスで化学的に受け取った刺激が、ナトリウム/カリウムポンプで電気信号に化ける。ただ、その電気信号がぶわっと連鎖的に拡散していくためには、軸索小丘を越えなければならない。ここには電圧センサーがあり、一定以上の電圧が出ないと、イオンチャネルが開かない(ということは、少々の電気信号では、これ以上に進めない)軸索小丘でセンサーが作動すると、一気にイオンチャネルが開き、ポジティブフィードバックが発生、電気信号は軸索の末端まで届き、そこで(いろいろあって)シナプスになり、隣のニューロンに信号が渡っていく・・・(以下、繰り返し)

今、この瞬間に、ぼくの目の裏側で無数のニューロンがこういう事をやってるのかと思うとなんだか面白いです。考える、悩む、迷う、学ぶ、忘れる、覚える・・・と、毎日、それこそ24時間やっている(or ニューロンたちにやって頂いている)事を生理的に意識するというのは非常に新鮮です。

★★★

他にも、「妊娠初期〜中期で、遺伝子の設計に基づいて脳細胞がガンガン作られるが、配線はまだされていない。妊娠後期〜誕生後数年で、細胞同士の細かい配線が完成するが、それは環境からの刺激による。」とか。3歳ぐらいまでに、どんな繊細さで脳細胞の配線をつくりあげるかって、凄い重要という事かー。うちの子、今2歳だけど、まだ間に合うかな?

等々。あと、愛とセックスについての章は、『浮気人類進化論』と併せて読むと面白いですね。

 


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