「プロに無償で仕事を依頼すること」についてのまとめと私見

前からいろんな人がいろんな所で標記テーマについて書いているのを見ていましたが、ここ数日、Facebookに2−3件のブログ記事が重なって流れてきたので、私も便乗してなんか書いてみようと思います(6月の記事が多いので、若干乗り遅れ感がありますが。なお、結論は3と4ですので、1と2はとばして大丈夫です。)



1.既出の意見をまとめてみる

まず、プロにタダで仕事を依頼していいかどうかについての意見は、だいたい3つのカテゴリーに分けられます。以下、それぞれのカテゴリーとその主張。(いろいろやってみるにっきを参考というか結局コピペになりました・・アレでしたら変更しますので言って下さいね)


a. 依頼しちゃダメ派

→原価が見えにくいだけで、時間やスキルを磨くためのコストがかかっているんだから、無償で仕事してもらうっていうのは、タダで商品を受け取ろうとしているという事に等しい。ダメだろ。


b. 依頼してもいいけど条件あり派

→ていうか、サービスの対価が必ずしもお金である必要は無いよね。人のつながりや感情にも価値があるから、お金の報酬が伴わなくても、実質的に価値を受けられる/与えられるのであればオッケーじゃないか。


c.どんどん依頼しろ派

→こんなん書く人居るのかよ、と思ったら、やっぱりというか、藤沢数希氏の釣り記事だった・・笑 要は、誰でも出来るようなスキルで金が稼げると思うんじゃねえよ!(=タダ働きが嫌なら、誰にも真似できない能力を身につければいいじゃん!)という意見。



2.で、私の意見がどの辺にあるかと言うと、


bとcの間、結構c寄りなところなんですが、ふと思ったんですが、そもそも上記の3派のどれが正しいって、それは依頼する側じゃなくて、依頼される側(=アーティストやコンサル的な人々?)が決める話じゃないの?と思ったんです。例えばこちらのブログでの意見。

プロの商いの道を選ぶか、それともプロのクリエイターの道を選ぶかだ。
どちらを選ぶかは、あなた次第である。

 http://fukaihanashi.hatenablog.com/entry/2014/06/12/211914


自身のコンサルタントとしての仕事から、「報酬が見合わない仕事は一切しないか、報酬にあわせて仕事のクオリティを調整するか、どんな報酬でも(つまり、無償でも)自分の名前がついた仕事は全力でこなすか。全部正解。」と言っています。的確です。同感です。


もう1点追加すると、職業が何にしろ、ほんとに良い仕事する人って、自分がどこに行こうとしているかをちゃんと理解していて、日々の仕事はその目的地、ゴールに至るためにこなすべき事と捉えていると思うんですよ。ドラッカーの教会の話とか、皆さん大好きですしね。


つまり、自分がどんな仕事をしたいか、何を為すべきかわかっていて、日々精進しているプロフェッショナルであれば、誰からのどんな依頼は受け、どんな依頼は断るかって、すぐに判断できると思うんです。


以下、まとめます。



3.「これ、タダでやってよー」と依頼されたら


・目的地へ向かう道に乗っているかどうかを見極める

下心とまで言ってしまうとやらしいですが、大人はえてしてやらしいものです。その仕事を受けることで、他の仕事の足がかりになるとか、まあー親友の頼みだししゃあねーなーとか、いろいろあると思いますが、最終的には、その仕事が「お金の報酬無しでもやりたい仕事かどうか」にかかっていると思います。


・誘惑のコミュニケーションは、受けるほうが強者

誰かに何かを依頼する、対価無しに協力を仰ぐというのは、「誘惑する立場」に近いと思いますが、この場合、語用論的には、コミュニケーションを支配するのは誘惑する側ではなくされる側、つまり依頼を受ける側が強者です。仕事で成功すればする程、有名で魅力的になればなる程、誘惑者は多くなりますが、受ける側が全てをコントロールできるはずです。多分。 (参考文献:『現代言語論ーソシュール・フロイト・ウィトゲンシュタイン』立川健二・山田広昭


・迷ったら「しっぺ返し戦略」を思い出せ

多くの場合、この手の依頼は繰り返しゲームなので、囚人のジレンマにおける「しっぺ返し戦略」つまり最初は協調し、その後裏切られれば裏切り返し、相手が協調に転じれば即座にこちらも協調で応じる、というのがすっきりしてて良いと思います。具体的には、迷ったら仕事を受け、自分が期待したお金以外の対価(とびっきりの感謝の笑顔とか、ほっぺにキスとか)が得られなかった場合、次からは断る。相手がお中元を送ってきたら再度仕事を受ける、等。うーん、これもなんかやらしいかなぁ・・・


依頼する人が「家族・友人」か、「同じ業界にいる人」か、「どこぞのセミナーで名刺交換しただけの人」かによって、ゲームの繰り返し回数も変わってきますが、長く付き合う人ほど「しっぺ返し戦略」は良い結果になる・・・はず。(参考文献:『有名人になるということ』勝間和代)



4.「これ、タダでやってよー」と依頼するときは


・金銭以外の対価を保証する

上記のとおり、依頼される方もできればゲームを協調関係に持ち込みたいと思っている(はずな)ので、こちらがお金で支払えない/支払いたくない場合、それに換わる対価を用意すべき。ほっぺにキスとか。


・断られたら「あいつは正しい判断ができる奴だ」とリスペクト

体よく断られた場合は「なんだよあいつ、オレの頼みがきけないってのか」とか感じるようでは、人間としての底が知れます。身近な人間が立派にプロフェッショナルとして世に出て仕事しているというのは誇らしいことです。リスペクトするべきです。で、旅行先から絵はがきを送るなり、さりげないボディタッチを繰り返すなりして、協調ゲームに持ち込む努力をしましょう。


・結局、お互いにとって一番いいのは、お金で依頼することかも

いろいろ書きましたが、上記は全て物凄く面倒くさいので、結局お金で解決が一番楽で、お互いにとって幸せなことという結論になりそうです。



あとがき:

と、こんな文章を書きながら、自分も周りのプロフェッショナルな人たちに、無償や超薄給で仕事を依頼したことがあるなぁと反省しています。今後の繰り返しゲームのなかでうまいこと協調関係を築きたいと思っておりますので、今後ともよろしくおねがいしますね。

 

 

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