Me toca mi corazon、またはストリートミュージシャンの醍醐味について

この前、バルセロナの地下鉄の連絡通路を歩いていると、脇でクラシックギターを弾いているおっちゃんが居た。(この街には道端ギター弾きが多い。しかも大概、恐ろしく上手い。)普段ならちょっと立ち止まって聴いていくんだけど、その時は急いでたので前を通り過ぎた。すると、後ろから、妙にアジアンテイストな旋律が追いかけてきた。うん・・・?よく聴いてみると、これ『さくら さくら』じゃないか!振り返ると、おっちゃんと目が合い、彼はにやりと笑った。


この出来事には非常に心打たれた。彼は、ぼくを見て「日本人」だと思った。そしてぼくに、日本人でなければ判らない暗号を投げてよこした。それは、ドイツ料理に疲れたぼくの鼻に漂う焼きサンマの匂いのように強力にぼくを捉え、ぼくを振り向かせた(もちろん、ぼくは引き返し、彼に話しかけた。)振り返って、彼と目が合った瞬間の、彼の「にやり」は、ぼくに投げた暗号をぼくが正確に理解したことに対する喜び、誘惑(しかも、随分知的な誘惑!)が成功したことの満足感に溢れていた。


道端でギターを弾くことの醍醐味って、ここにあるんじゃないかなぁと思う。「心の琴線に触れる」を、スペイン語では「me toca mi corazón」と言う。いつぞやドイツで、メキシコの歌をうたった時、その場に居たメキシコ人の男の子が自分の胸の辺りを拳でトントン叩きながら言ってくれた「Tu canción toca mi corazón, eh!」をただもう一度聞きたくて、下手の横好きが続いてるようなもんですから。


誘惑の暗号としての音楽。純粋にコミュニケーションとしての(monologueではなく、dialogueとしての)音楽に惹かれる。すごく。

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