人工バイリンガル教育の途中経過:2歳8ヶ月

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前回から少し時間が経ってしまいましたが、現在2歳8ヶ月。うちの子のバイリンガル教育はどんな感じになっているかというと・・凄いですよ。


2人称の間違い→修正済。

2歳前あたりから気になっていた2人称の間違い(「私」と「あなた」をひっくり返して表現する)について、2歳半ごろにようやくわかってきたらしく、会話中に意識して訂正するようにすると、正しい表現ができるようになってきました。(「me das?(ぼくにくれる?)」に対し「te doy(きみにあげるよ)」と返事する 等)次の課題は”格”。I とmy とme の違いです。これも、会話中にこまめに訂正すれば良いのかな。


過去形の活用ができるようになりはじめた。

スペイン語の動詞活用は英語に比べてかなり複雑なんですが、規則性はあります。もちろんウチの子はその規則性を「文法」という形で勉強したわけではなく、ぼくがベラベラ喋っている中から勝手に引き出しました。つまり、新しく知った動詞の過去形を自作します(※1  実例がテクニカル過ぎるので後述)。


そして自分で文章をつくりはじめる。

最初は聞いたフレーズをそのまま繰り返すだけが、覚えた単語を組み合わせて自分のフレーズを作り始めました。「忘れた」という意味のことを言うために、それまでに覚えていた「estoy contento(満足してる)」や「estoy comiendo(食べてる)」をベースに、「estoy olvidado」というフレーズを自作したんです。ぼくが「忘れた」と言うときはいつも「se me olvidó」というフレーズを使うので、estoy olvidadoというフレーズは自分で考えたと言えます。


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ここまで進めてきて、幾つか気づいたことがあります。ひとつは、息子に会う時間が減ると、途端にスペイン語が圧迫されて出にくくなるということ。年末年始は仕事が忙しく、朝と夕方にちょっと顔を合わせるぐらいになったり、週末を妻の実家で過ごし、ぼくは1人で仕事・・というパターンが続いていました。週明けに久しぶりに息子に会うと、日本語の語彙が増えている分、スペイン語を若干忘れています。もうひとつは前述しましたが、タイミングを見ながら、その都度訂正を加えると非常に効果的ということ。2-3回繰り返すと、少し考えて正解を探すようになりました。まあ、結局のところ、とにかく一緒にいて喋ることが大事なんですが。


以上、途中報告です。引き続きがんばります。あ、がんばるのは息子の方か。



※1  例えば「tomar」という動詞は、「(物を)つかむ」「(水を)飲む」「(乗り物に)乗る」など、英語のhaveやgetのようにいろいろ使える言葉なんですが、この過去形が本来「tomé」になるところ、「(息子のロジックによると)バスに乗るときは「tomé」になるけど、水を飲むときは「tomí」になる」という。どういうことかというと、原形で語尾が-arの動詞は、点過去1人称の活用が-éになるのに対し、語尾-er, -irの動詞は-íになるという規則があるんです。で、「comer(食べる)」という動詞は語尾-erなので「食べた」は「comí」になる。つまり、「水を飲む」という行為と「食べる」という行為をリンクさせ、「食べた」が「comí」になるなら「飲んだ」は「tomí」になるはずじゃないか、という意味論的ロジックなんです(多分)。うちの息子すげえな。


もちろん”文法的には”間違いではあるんですが、たった2歳半の子供が、誰にも教わることなく、自力で因果関係をたぐり寄せようとしている過程を見た気がして感動しました(もちろん親バカ)。なお、子供が世界の因果構造についての知識を豊富に持っていることが確認されており、これはアリソン・ゴプニックによれば「近年の発達心理学における最も重要で革命的な発見のひとつ」であるそうです。へえー。詳しくは著書『哲学する赤ちゃん』の第1章を参照下さい。

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